瑠璃色の姫君




「どうしたもんかなぁ…」



彼女のことは極力傷つけたくない。


だが、彼女のことは何でも知りたい。


どうしたらいい。



「?」



頭を抱え始めた時、服の裾を軽く摘まれた気がした。


そして、小さく引っ張られた。


隣を見てみると、そこには微笑む彼女の姿。



「ごめん。起こしちゃった?」


「ううん、起きてたの」



嘘つけ、ぐっすりすやすや寝てたじゃんか。


それとも、狸寝入りしてたの?



「お仕事、お疲れ様」


「ありがと」



礼を言うと、レティシアが起き上がってベッドの上でちょこんと正座をした。



「何で正座してんの?」


「だめ?」


「え、いや可愛いから別にいいけど」



なんで突然、正座をしているんだ。


とりあえず彼女の真ん前に僕も正座する。


少し照れくさそうに頬を掻いて、レティシアが口を開いた。



「えーと、バベル?」


「うん、何?」


「聞きたいこと、あるでしょ」


「……んー」



そう、聞きたいことあるよ。


だけど聞いていいかわからなくてさ。



「あのね」



言葉を濁した僕に向かって、レティが言う。



「バベルになら、隠し事なしに何でも話したい」





< 209 / 248 >

この作品をシェア

pagetop