瑠璃色の姫君
「……うん」
頷いて、彼女を見る。
何でも包み隠さずに話してくれると思えるほどに真っ直ぐに僕を見る彼女を。
よし、と腹を決めて僕は言葉に出した。
「フリュイとして僕に会うまで、君は何をしていたの?」
レティは一瞬瞼を伏せて、でもすぐにそれを上げて僕を見た。
そして、口を開いた。
「サーカス団に売り飛ばされてね、そこで技を磨いていたの!」
キリッとして言う彼女に、思わず間抜けな声が出た。
「はぁっ?」
「なんてね、うっそー」
「嘘?」
「ていうのも嘘で、それも嘘で嘘で嘘で、なんだろねー?」
さっきまで寝ていたのが嘘のように目をぱっちり開けてケタケタ笑う彼女。
は? ちょっと待て、はい?
「相変わらず騙しやすいね」
は、ちょ、嬉しそうに笑うのやめてもらっていいですか。
「僕になら隠し事なしに何でも話すんじゃなかったわけ?」
少し不機嫌な声でそう言えば。
「私だって言いたくないことの1つや2つあるんですぅー」
と、彼女は開き直る。
それは凄く君らしいけど。
だけど、やっぱり気になるもので。