瑠璃色の姫君
甘いレティにデレる僕は手の甲で緩んだ口を隠しながら彼女に尋ねる。
「レティ、まだ寝ぼけてんの?」
「んーん。今日はね、バベルとイチャイチャする日って決めたの」
「え」
何を言うかと思えば。
いつもは決して言わないようなことを彼女が言うので、目が丸くなる。
そんな僕の背中から離れた彼女は僕の前まで周ってきて、ドンッと勢い良く僕にしがみついた。
「………文句ある?」
口調は僕を責めるようなのに、しがみつく手はぎゅうっと強くて。
「ないよ。むしろ嬉しい」
僕は彼女の背中に手を回して力一杯抱きしめ返した。
仕事なんて明日に今日の分をやればいいんだ。
そうさ、僕。
レティがこんなにも甘えてくることは珍しいのだから、存分に満喫しなきゃ!
「バベル」
「うん」
僕から体を離した彼女は僕をのぞき込んで、それから顔を逸らした。
「バベルすき」
あ、やばい、キスしたい。
「レティ、こっち向いて」
「……や」
「向いて」
「いーやー」
僕が今やりたくてやろうとしていることを察したのだろう。
彼女はもっと僕から顔を離した。