瑠璃色の姫君




私も、好きな人の前でくらい可愛くいたい。


どうしたら可愛いと思ってもらえるのだろう。




「レティ、怒った?」


「別に」



あ、ほらまた可愛くない態度を取ってしまった。


何でそんなに素っ気ないのよ、私。



「あー何かあった?」


「……」



怒っているわけではない私の様子にすぐに気がついてくれる彼は、本当によく私のことを見てくれていると思う。


でも、何かあったかと言われて、可愛いと思ってもらいたいからどうしたらいい、と本人にはさすがに聞けない。


どうしたらいいのだろう。


回転しすぎてきた頭を抑えると、バベルが私を腕の中から離してソファに座らせた。




「え…バベル……」


「レティ、ちょっと待ってて」



ひどい対応や言葉ばかりだから幻滅されたのかと思い、顔面蒼白になる私。


そんな私の想いはつゆ知らず、彼は自分が公務をこなす時に愛用しているぬくぬくの毛布を手にとって、私をぐるぐる巻きにした。



「何してんの…」



そんな私の呟きに、にーっと笑ってんバベルはティーセットを取り出した。


え、そんなのいつも使わないじゃん。




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