瑠璃色の姫君




彼は慣れない手つきで何かを作り始めた。


……どうせダージリンでしょ。


メイドを呼べばいいのに自分で作り始めるなんて、そんなに飲みたいわけ?


私が1番優先だとか言って、私とのハグよりもダージリンが優先なんだ。


喉の渇きの方が優先なんだ。


生きる為には、そりゃあそうだろうとは思うけれど。



だるまのように毛布にくるまっている私は、ぶすっとして頬を膨らませた。


不貞腐れてる自分は面倒だから離れたい気持ちはわかるけれど、さっき言ってしまった「バカ」は私に非があるけれど、でも今言わせてほしい。


バベルの馬鹿。


乙女心をわかってくれてもいいじゃない。


毛布に顔を埋めて、待たせているリーシャに心の中で謝る。


まあ、シャトラント1の大富豪の娘であるロゼアとその執事のジルと、鷹のルディとそのご主人のガレットもいるから多分平気だろうけど。


あとオリーヴェンのプラネタリウムを管理している集団ピーコックと旅の中で馬車を貸してくれたおばちゃんと、パン屋のセイラお姉ちゃんも、これから来るんだっけ。


久しぶりの大集合は、ロゼアがお茶会を企画したからである。


ほんと、金持ち思考だよね。



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