瑠璃色の姫君
________________
_____________
__________
健やかな朝。
朝陽に目を細めながら、僕はどこまでも繋がる空を見つめた。
緑がかった青緑といわれる、金春色(こんぱるいろ)の自分の髪が光で透けて見える。
ふと頬を触ると、目の端には涙の跡が薄っすら残っていた。
「バベルに見つけてほしいの、か……」
淡い記憶の夢見で、僕はある決心した。
起きたばかりの頬をペチンと叩いて顔を洗う。
涙の跡は、微妙にわからなくなった。
いそいそと鞄に必要な荷物を入れ込む。
クローゼットの中から、なるべく目立たなさそうな色の服を探す。
装飾がキラキラしていたりするけれど、クローゼットの中から一番地味な服を引っ張り出して着た。
鞄と地図と使い慣れた愛用の剣を手に、僕は音をさせないように慎重に窓を開けて、サンに足をかけたところで手を止めた。
「あ、忘れ物」
部屋の中の鏡の前まで戻り、取ってきたのは彼女の瑠璃色のビーズが並ぶ子供っぽい指輪。
指に通すと、ビーズが瞬きをしたようにキラリと光が動いた。
「よし、オッケー」
もう一度サンに足をかけ、周りに気付かれないように、そこから飛び降りて。
花園を抜けたところにある秘密の出入り口から、城を抜け出した。
レティシア。
お望み通り、僕が君を
絶対に見つけるよ。