瑠璃色の姫君




こんなに早く鷹と馴染むとは。


本当、よく掴めないやつだ。



「で? 色々聞きたいんでしょ、他に何が聞きたいの?」



フリュイとルディの瞳が僕の方を向いた。



「じゃあ、」


「あ! 目的については絶対言わないからね」


「わかってるよ」


「あ、そう?」



そんなに釘を刺さなくても聞かないって。


ガレットにだけ教えたあたり、徹底して僕には教えないみたいだったし。


聞いてもどうせ答えてくれないだろうしね。


だから、目的じゃなくてさ。



「フリュイ、お前のー、うわっ!?」



突然、横から服の裾を引っ張られてた僕は、草むらにしゃがみ込んだ。



「何すんだよ」


「しーっ! 静かにして」



口に人差し指を当てるフリュイは、同じく草むらにしゃがみ込んでいる。


そこから少し離れた所にいる馬にまたがる2人の人間をフリュイの桜色の眼球が鋭く睨みつけている。


騎士のような服を着ているが、シュトラントの騎士団の制服のデザインではない。


どこかで見たような気がしないでもないデザインだけど、ここからの距離だとその2人の顔は特定出来ない。



「あの人達、知り合い?」



小声でそう聞けば、フリュイは「さあ?」とおどけた。



また秘密かよ、と眉をひそめれば、フリュイは僕よりも、もっと小声で喋った。



「まあ、知り合いみたいなもの」


「へぇ」



なんとも高貴な感じの知り合いだな。


こんな知り合いがいるなんて、実はいいとこの坊ちゃんだったりするのだろう。


小綺麗な顔をした少年だから、その方向に当たりはつけていたけれど、やはりそうだったか。


そうなると、家出しているのか?


それとも、没落した家の者だったり?




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