瑠璃色の姫君
いくらこうしてガレットのところでもらった服に身を包んでいても、多分バレる時はバレる。
フリュイの場合は、顔を覗き込まれるとバレると思う。
フリュイは黒縁メガネで隠しているつもりかもしれない(本人は目が悪いだけと言った)が、フリュイの瞳は他の人よりも特徴的だ。
その桜色の瞳は、あまり見かけない。
僕の知人の中では、桜色の瞳を持つのはレティシアだけだ。
そうだ、そういえばレティシアとフリュイの瞳は同じ色だ。
だからなのかな、共に旅をすることを承諾したのは。
だとしたら、無意識のうちにレティシアを求めているようでちょっと地味に恥ずかしい。
「バベル、どしたの。スピード落ちてるよ」
いつの間にか僕より後ろにいたフリュイが僕を振り返って見ていた。
「悪い!」
恥ずかしさを払拭すべく、頭をぶんぶん振って
「危険を冒してまで僕に付き合ってくれてありがとう」
前をまっすぐ向きながら、隣を走るフリュイに感謝を伝える。
「王子様に感謝されるの、悪くないね」