瑠璃色の姫君




何それちょっと可愛いね、美少年よ。


少年らしさが出てるじゃないか。


なんでそんなに聞きたくないのか知らないけどさ、意地悪しちゃったじゃん。



「レティシアって、言った?」



くく、面白いなぁ。


控えめな声で尋ねてくるのが面白い。


なんで聞きたくなかったのかは、本当に謎だけど。


もしかして、僕のことが好きになっちゃったことが理由で聞きたくなかったとか。


いやぁ、モテる男は大変だよね。


男から恋愛的に好かれるのは受け入れがたいから断るけどね。



「ねえ、レティシアって言った!?」


「うわっ」



再度問うてきたフリュイの声が予想より大きくて僕は肩をビクつかせた。


フリュイが僕のことが好きだとか、バカな考えをしたからだな。


怖い怖い。


早いところ質問にしっかり答えてしまわなきゃもっと怖いことになるや。



「そ、そう。僕の初恋の人はレティシアだよ」


「……!」



当たり前じゃん、とでも言うようにそう言えば、フリュイが驚いた顔で僕を凝視していた。



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