瑠璃色の姫君
あれ、なんでそんなに驚いてんの。
やっぱアレなの?
僕のことが好きだからショックなの?
どうやら考えていたことがまた口から出ていたらしく、フリュイに「なわけないじゃん、ばーか」と睨みつけられてしまった。
「嘘だよ。一応言うけど、僕そんなに自意識過剰じゃないよ」
「はいはい」
フリュイにさらっと流されてムッとしていたら、彼が「あ」と声を上げた。
「じゃあさ、お詫びに王女との思い出とか聞かせてよ」
「ヤダ。なんで詫びなきゃならないんだよ」
「むー別に減るもんじゃないんだからいいじゃんか」
頬を膨らませるフリュイに、眉が下がる。
フリュイさん。
そういう問題じゃないんだよ。
恥ずかしいだろうが。
「ねー聞きたいー」
「駄々をこねても話しませんからー」
バタバタと足を動かして暴れるフリュイの足を掴んで止めようとする。
だけど勢いが強くて振り払われてしまった。
チッ、やっぱり手強い。