瑠璃色の姫君
「話してくれなきゃ、ここで『バベル王子発見しましたー』て叫ぶよ?」
うわぁ……。
賢いガキって扱いづらい。
「わかったよ、話せばいいんだろ」
「よっしゃ!」
仕方がないけれど、危険を晒すくらいなら、恥ずかしくとも話す方が断然いい。
もっとも、彼がそう簡単に僕を発見した、なんて言うとは思えないけれど。
理由は簡単。
僕が城に連れ戻されるということは、僕との旅の終わりを意味するから。
付いてきた意味がなくなるから。
「で、で? フリュイね、恋話好きなんだよね〜」
「思い出話、じゃなかったのか?」
「王女との思い出ってことは、バベルは王女のことだーいすきなんだから、要は恋話じゃんよ」
「だーいすき、って」
「違わないでしょ?」
「違わないけど…」
ニタニタと楽しげに、してやったり、とでも言うように笑うフリュイ。
確かに、大好きだけどさ。
なんだかそんな風にだーいすき、とか言うとなんか、ちょっと。
照れる、というか、恥ずかしい。
「はい! 恋話かもん!」
お前、テンション高いね……。