瑠璃色の姫君




「で、眠るレティシアを起こしてとりあえず蹴ったことを謝ったんだ」



あの時のレティシアは桜色の瞳を揺らして目をまん丸にしていた。


それがまた可愛くて凄くレティシアにドキドキしていた気がする。



「それから、自己紹介をしてさ」


「うんうん」


「そしたら、起きたばかりのはずなのに、レティシアがかくれんぼしよう、って提案してきたんだ」



突然のことに戸惑ったけど、なにせ一目惚れしたものだから、気に入られようと考えて二つ返事でかくれんぼを受けた。



「かくれんぼ……ね、」


「フリュイは、やったことある?」


「あ、あるよ。僕かくれんぼ得意だよ」



かくれんぼについて考え込むような声をフリュイが出したので、やったことがあるか聞いてみれば、一変。


へへん、と得意げなフリュイ。


ちょこまかと場所を変えて隠れたりするのだろうな、と考えられた。


確かに得意そうだ。



「それにしても、いきなりかくれんぼしよう、だなんて王女って元気っ子なの?」



ふふ、と楽しそうにフリュイがそう聞いてくる。



「そうなんだよ。無邪気だなぁ、て思うよ。実際に今もそうみたいだけど」



ほら、天真爛漫、がぴったりだ。



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