瑠璃色の姫君
じゃあいいや。
かなり気になるけど。
どうせ秘密主義なフリュイのことだ。
教えてくれないだろう。
「バベルー何止まってんのー?」
フリュイが不思議そうに僕を振り返る。
全く異常なし、って感じ。
さっきまでのが嘘のよう。
心配無用だったかな。
「追いてくよー?」
「待って待って」
フリュイとルディの後ろ姿を追いかけて、またすぐに止まってしまった。
「あれ?」
フリュイの隣に来る前に、フリュイの後ろ首にアザのようなものを見つけた気がしたからだ。
僕は右に首を曲げて傾げた。
「ん?」
「あ、いや。何でもない」
気のせい、だろうか。
そのアザは、初めて見るはずなのに、どこかで見たような気がした。
後ろ首のアザ。
誰かもそこにアザがあったような気がする。
誰、だったかな………。