瑠璃色の姫君
それにしても。
長年の仲なのに、相変わらず丁寧なリーシャの口調に、懐かしくなって口角が上がる。
レティシアとのお茶会としてではなく、自分がこのカフェを気に入っていたからたまに来ていたのだけれど、最近は忙しくてしばらくぶりだったのだ。
「リーシャ、また可愛くなったね」
ぱっちりお目々に短い前髪、安定の細い2つ結びからは可愛さを感じるだけでなく、プラスして少し大人っぽさが加わったように思えた。
ウサギの耳のような2本に束ねられた髪が動くたびに、すんごい躍動感があるなぁ、と賞賛したくなる。
「あ……バベルが口説いてやがる」
「え、僕、口説いてなんか……」
「いやぁ、ないわー」
えへへ、とひたすら照れるリーシャとナチュラルに口説いた僕を、僕の隣にいるフリュイがシラーっと交互に見ているのがわかる。
僕の方に視線が行く直前で目力が強くなってるよね。
フリュイ、君すごく怖いよ。
わかってるわかってる。
王女以外を口説くってどういうこと、とか思ってるんでしょ。
だってリーシャ、素で可愛いんだもん。
あ、やだな怖い、そんな睨まないでよ。
今の言い訳なしね。
うん、僕が悪かった。