瑠璃色の姫君
「僕と一緒に旅してるちょっと頭のいいガキ、みたいな」
「一緒に旅? 2人で?」
「そうだよ」
「じゃあ相棒ってことです!?」
「んーまあ、簡単に言えばそんな感じ」
相棒、ねぇ。
確かに友達とか言うんでなくて、フリュイとは相棒という類かな。
質問者のリーシャは「フリュイって名前聞いたことないですけど」とかボソボソ独り言を言っている。
「あ! 彼とは、いつからお知り合いで?」
「今回城を抜け出した日」
「えぇっ!?」
リーシャが嘘でしょ、とあからさまに顔に出す。
「す、素性は知れてるんですかっ」
「残念だけど」
「はいぃ? 一国の王子が素性の知れない人間と旅に出るなんてあり得ません!」
うん、ごめん。
わかる、そういう風になるよね。
なんで知らないんだよ、って。
それ危ないことだよ、ってね。
僕もリーシャ側に立ったらそうなると思うよ。