瑠璃色の姫君
だけどさ。
「フリュイ、目的とか全然教えてくれなくてさ」
「は、なんで?」
おいおい。
君の特徴である敬語がなくなってるよ。
「それは僕にはわからない。ガレットには説明出来るけど僕には出来ないって言われてさ、」
フリュイの目的を聞いたガレットから許可を得て2人での旅を始めたとリーシャに説明する。
秘密がありすぎて、彼のことはよくわからないけれど、ここまで一緒にいて嫌悪感や怪しい気は一切感じてない。
騎士に対する反応や、偽レティシアを捕まえる時の能力だって、申し分ない。
あれが他国の者であり、敵かもしれないと思えばゾッとするけれど。
ガレットが許したんだから大丈夫だと思う。
「僕から見ても謎だらけなんだけど、彼は安全だから」
「そこまでバベルが言うなら信じるけど……」
ありがとう、リーシャ。
一先ずでも、そう言ってくれるのは、言われないよりもずっといい。
「レティがいなくなっただけでもドギマギしてるのに、バベルまで旅に出るとか得体の知れない人といるとか、親友としてはすごく不安だから、何かあったらすぐ連絡くださいよ」
「うん、そうする。ありがとう」
心配してくれる親友に、心底感謝だ。
ガレットといい、リーシャといい。
僕は友人に恵まれているらしい。
「じゃあ、戻ろうか」
フリュイがたぶん1人で困ってるよ。
そんなことなくて、ルディと遊んでるかもしれないけれど。