瑠璃色の姫君
ちょっと待て。
似てる似てない、の話以前にさ。
「なんでお前、レティシアのこと知ってる感じなの」
少し前でもなんだかレティシアのこと知っているみたいに言ってなかったっけか?
もしかして、知り合いなのか?
そのまたもしかして、レティシア探しの鍵をお前が握ってたり……?
「………そ、そりゃあアレよぅ。フリュイって、オリーヴェン国民だから知ってんだよ、うん」
なるほど、レティシアの父が王を務める国であるオリーヴェン国民だったのか。
それならどこかでレティシアを見たことがあってもおかしくないし、一理ある。
だけど。
………隠し事下手くそじゃね?
目をキョロキョロさせて言い淀みながら言うなんて、握ってそうに見えるじゃないか。
「本当に知り合いだったりしないわけ?」
「しないさ!」
あれ。言い淀まずに言い切った。
どっちなんだよ、ハッキリしてよ。
「………」
「………はぁ」
会ったばかりの時のようににらめっこしてみても、負けるのはまた僕だった。
逸らされない目線は、さっきまでの嘘っぽさがどこかに行ってしまうくらい強い。
フリュイの目には、勝てないな。
結局のところ、知り合いだったりするのかはわからないままフリュイにいいように流され、似てる似てないの話に戻った。