水瀬先輩 (仮)

―ガラッ


ひとまず教室に戻り扉を開けた。



「……おせーよ」


「健………！」



置いて帰ってるって思ってたのに、私のことずっと待っててくれたの……？


「帰るぞ」


「ごめん、ありがとう」


「ちとせがお礼言うとかキモいから」


「……うん」


「素直すぎるのもキモい」


「……うん」



私は今、アンタに感動してるの。お礼言ったって、素直になったっていいじゃないか……！



「……頭、大丈夫？」


「はぁーー？！どーいう意味で言っ……」


どーいう意味で言ってんの、って言いかけたら、健が近づいてきて、



「痛いの、治った？って意味」