チェロ弾きの上司。
「ん、どうした?」
真木さんが固まっているあたしを不思議そうに見る。
「ほ、本番前に、何てこと言うんですかっ!」
「お前から話ふってきたんだろうが」
「…………」
「なあ、感触、思い出すだけじゃなくて、確かめるともっと効果あるんだろ?」
ゆっくりこちらに歩いてくる真木さん。
「な、何する気ですか……?」
「んー、……ハグ?」
「だ、だめですっ!」
「何でだよ」
「あたしが本番弾けなくなりますから!」
「暗譜するまで弾きこんでるんだから、ちょっとやそっとじゃ崩れない。オレのソロに協力すると思えよ」
「冗談やめてください! あたしの半年間の苦労を台無しにする気ですかっ?」
真木さんはおかしそうに笑った。
「お前もなかなか言い返すようになったじゃないか」
そう言うと、ニヤリ、と片方の口角を上げた。
やばい。サディスティックスイッチ入っちゃった!
本能で危険を察知し、後ずさる。
が、ステージ衣装はくるぶしまであるロングスカートなんだった!
カカトでスカートの裾を踏むというお約束のドジをしてしまい、よろける……
真木さんが固まっているあたしを不思議そうに見る。
「ほ、本番前に、何てこと言うんですかっ!」
「お前から話ふってきたんだろうが」
「…………」
「なあ、感触、思い出すだけじゃなくて、確かめるともっと効果あるんだろ?」
ゆっくりこちらに歩いてくる真木さん。
「な、何する気ですか……?」
「んー、……ハグ?」
「だ、だめですっ!」
「何でだよ」
「あたしが本番弾けなくなりますから!」
「暗譜するまで弾きこんでるんだから、ちょっとやそっとじゃ崩れない。オレのソロに協力すると思えよ」
「冗談やめてください! あたしの半年間の苦労を台無しにする気ですかっ?」
真木さんはおかしそうに笑った。
「お前もなかなか言い返すようになったじゃないか」
そう言うと、ニヤリ、と片方の口角を上げた。
やばい。サディスティックスイッチ入っちゃった!
本能で危険を察知し、後ずさる。
が、ステージ衣装はくるぶしまであるロングスカートなんだった!
カカトでスカートの裾を踏むというお約束のドジをしてしまい、よろける……