チェロ弾きの上司。
子宮が、きゅうっとなって、喜んでるのがわかった。

あぁ、ごめんね、あたしの身体。

今まで邪険にしてきて、ごめんね。

「響也さん……あたし、女でよかったです……」

「オレもそう思う。みやが女でよかったし、オレも男でよかった」

あたしはたまらず、ぎゅうっと響也さんに抱きついた。

「みや……少し、動いていい?」

「いいよ?」

……響也さんがゆっくり動くと、圧迫感が快感に塗り替えられるのに、時間はかからなかった。

あたしがまた声をあげ始めると、響也さんは身体を起こして、本格的に動き始めた。

本能ってすごい。
勝手に腰が動いてしまう。

あなたが大好き。
あたしの全部をあげる。
あなたの全部が欲しい。


「みや……おまえのなか、気持ちよすぎ……。あー、やばいな、これ……」

言いながら、響也さんの動きがクレッシェンド&アッチェレランドしていく。

と。
何か巨大な波が近づいてくるのを感じた。

「響也さん……っ、何か、来る……っ!」

「みや、手出して」

あたしが響也さんに向かって両手を伸ばすと、ぎゅっと握ってくれた。

「大丈夫。怖くない。オレがいる。そのまま……」

響也さんがそう言いながらスフォルツァンドした瞬間。


あたしの身体に弦が張ってあったら

全部が

じゃらーーーん……

と、かき鳴らされたような感覚がして

声にならない悲鳴をあげると

同時に

「みや……っ‼︎」

響也さんの声が遠くに聞こえた。







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