チェロ弾きの上司。
彼の手が、服の上からあたしの身体のラインをそっとなぞっていく。

「ん……」

うれしくて、気持ちよくて、自分でもびっくりするくらいの甘ったるい声が出てしまった。

後ろで、また、彼が笑った気配がして。
今度は、彼の手が、あたしの頬に添えられる。

その親指が、あたしの唇を探し当て、
そうっと、
触れるか触れないかくらいの力で、
ゆっくりと、
膨らみを、なぞっていく。

敏感な唇から、ピリピリした快感の粒が、身体の中に広がり、跳ね回る。


「んん……っ」


どこから出るんだ、こんな声。


彼の動きで
身体が反応して
声が出る。

自分が楽器になったみたい。

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