チェロ弾きの上司。

「みや、ご褒美の話は覚えてるな?」

「……覚えてます。ホール満員になるのは予想してました。響也さんならきっとそうするって。さすがです。おめでとうございます」

「じゃ、ご褒美くれる?」

「……何をお望みですか」

「みやから愛してほしいな」

よし‼︎
来ると思ってた!


あたしは響也さんをそっと押し倒す。



あたしも、愛されるだけじゃなくて、愛したい。

覚悟を決めることができたのは、三神さんのおかげ。
ほんとにすごい人です、三神さん。


チェロ弾きの上司は、それはそれは嬉しそうにあたしを見上げてる。

今までたくさん愛してもらったから、今度はあたしの番。


「いっぱい愛しますから、覚悟してくださいね?」

「上等」


あたしは、美しい唇に深くキスをした。







fin.









< 223 / 230 >

この作品をシェア

pagetop