チェロ弾きの上司。
「みや、ご褒美の話は覚えてるな?」
「……覚えてます。ホール満員になるのは予想してました。響也さんならきっとそうするって。さすがです。おめでとうございます」
「じゃ、ご褒美くれる?」
「……何をお望みですか」
「みやから愛してほしいな」
よし‼︎
来ると思ってた!
あたしは響也さんをそっと押し倒す。
あたしも、愛されるだけじゃなくて、愛したい。
覚悟を決めることができたのは、三神さんのおかげ。
ほんとにすごい人です、三神さん。
チェロ弾きの上司は、それはそれは嬉しそうにあたしを見上げてる。
今までたくさん愛してもらったから、今度はあたしの番。
「いっぱい愛しますから、覚悟してくださいね?」
「上等」
あたしは、美しい唇に深くキスをした。
fin.