チェロ弾きの上司。
◇
やばーい。
頭の中、すでにシェヘラザード。
三神さんが弾く姿を想像しては、ニヤニヤしてしまう。
……だめだめ。ここ、会社。仕事中。
いくら数字打ち込みの単純作業とはいえ……、
ま、いいか。ダブルチェックするし。
三神さん、どんな風に弾くんだろ……
端正、華麗、高貴……
「望月」
「はいっ!」
真木さんが斜め後ろに立ってた!
気づかなかった!
今日は隣の佐倉さんがお休みだから、教えてくれる人いないし!
「これ、パワポにしといて」
何やら手書きの文字や図が書かれた紙が数枚。
さっきまで社長と打ち合わせしてたから、その記録なんだろうけど……。
何じゃこりゃ。これ、真木さんの字⁉︎
達筆すぎて読みづらい……しかも英語が所々に……
「何か」
「いえっ、いつまでにお渡しすればよろしいでしょうかっ」
「今日中。ボーッとしてニヤニヤするくらいの時間はあるんだろ」
……恥ずかしさ、再び。
……見られてたのか。
「何かいいことでもあったのか」
ありましたとも!
あなたには絶対言えませんが。
とはもちろん言えないので、何て返そうか悩んでいると、真木さんが言った。
やばーい。
頭の中、すでにシェヘラザード。
三神さんが弾く姿を想像しては、ニヤニヤしてしまう。
……だめだめ。ここ、会社。仕事中。
いくら数字打ち込みの単純作業とはいえ……、
ま、いいか。ダブルチェックするし。
三神さん、どんな風に弾くんだろ……
端正、華麗、高貴……
「望月」
「はいっ!」
真木さんが斜め後ろに立ってた!
気づかなかった!
今日は隣の佐倉さんがお休みだから、教えてくれる人いないし!
「これ、パワポにしといて」
何やら手書きの文字や図が書かれた紙が数枚。
さっきまで社長と打ち合わせしてたから、その記録なんだろうけど……。
何じゃこりゃ。これ、真木さんの字⁉︎
達筆すぎて読みづらい……しかも英語が所々に……
「何か」
「いえっ、いつまでにお渡しすればよろしいでしょうかっ」
「今日中。ボーッとしてニヤニヤするくらいの時間はあるんだろ」
……恥ずかしさ、再び。
……見られてたのか。
「何かいいことでもあったのか」
ありましたとも!
あなたには絶対言えませんが。
とはもちろん言えないので、何て返そうか悩んでいると、真木さんが言った。