チェロ弾きの上司。

カルテット練習終了後、鍋パーティー。

あたしは台所で三神さんのお手伝い。

アカリンはテーブルセッティング。

真木さんは……練習してる。
「どうせキッチンに4人も入れないだろ」
とか言って。

「望月さんは真木の部下なんでしょ? あいつが上司で大変じゃない?」

三神さんが白菜を切りながら言うものだから、あたしはシメジをほぐしながら、ここぞとばかりに訴えてみる。

「もー、すっごく大変です!」

「あいつ、ちょっと素直じゃなくて、不器用なところがあって、かなりマイペースだもんね」

うわー。横暴な上司も、お友達にはそんな風に映ってるんだ!

「でも、根はいい奴だから、大目にみてあげてくれる?」

三神さん、あなたはやっぱりいい人です!
真木さんは、三神さんのこと、腹黒いとか言ってたのに!



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