それでも、意地悪な君が好き。
「おはよっ
朝から熱々ですね」
あたしの席は和花のすぐ後。
席に着くなり、和花は後ろを振り向きニヤニヤしながら笑っている。
見られていた恥ずかしさと、まだ頭に残る晴人の温もりで顔に熱が込み上げてくる。
「あっ、村岸先生!」
誤魔化すように廊下を指差した。
えっ!?と言いながら誰も居ない廊下をキョロキョロと見回す和花。
「あー、また騙されたー」
口を膨らまして怒る和花に小さく舌を出した。
こんな他愛もない時間があたしは大好きだ。