それでも、意地悪な君が好き。
「ハル~
おはよっ♪」
立ち尽くすあたしの背後から聞こえる甘えるような声。
女の子が横切ったと思ったらそのままハルに抱き付いた。
それを受け入れるように優しく微笑み髪を撫でるハル。
そんな笑顔するんだ…
苦しくなる心…
それでも現実は残酷で
「サトミ、保健室行く?」
なんて優しい声で
抱き付く女の子の唇をなぞるハル。
「もう~朝から
ハルのエッチ♪」
そう言いながら満更でもないように腕をハルの首に絡める。
広く開かれた胸元からは谷間がチラチラと見える。
この子サトミって言うんだ…
前にも見た事があった。
あたしがハルに
『俺がこんな女相手にすると思う?』
なんて言われた時に居た子だ。
あたしにしたように…
ハルは女の子の髪や唇に触れている。
そんな光景を黙って見る事しか出来なかった。