それでも、意地悪な君が好き。
「おじゃましまーす」
帰宅するなり
宿題と必要な教科書、
そして大量のお菓子を持って晴人の家に来た。
「お菓子…すごい量だね」
「そうかな?」
びっくりしている晴人にポカンとした表情で応えるあたし。
「コーヒー入れるからちょっと待ってて」
そして晴人は
あたしの持ってきたお菓子を見てクスっと笑いキッチンへ向かった。
おばさんまだ帰ってないのかな?
静かなリビングを見渡すが人の気配はない。
「香織ごめん!
コーヒー切らしてるみたいだから買ってくるわ
先に部屋で待ってて」
「気にしなくていいよ?」
「俺が飲みたいだけだからさ
じゃあ行ってくるね」
そう言いながら靴を履くと
そそくさと出かけてしまった。
あたしがこんな大量にお菓子持ってきたから…
かえって晴人に気を使わせてしまったと反省した。