それでも、意地悪な君が好き。






「高橋先生から聞いてるとは思うけど、き、今日から…しばらくは俺がこのクラスを見る事になったから。

みんな宜しくな」




ちょっと緊張しているのか、ソワソワしながら教卓の前に立つ村岸先生。




「先生緊張しすぎー」



「可愛いなもー」



「よろしくー」




みんなの歓迎する声が飛び交う中、

ホッとしたように、かたい表情から笑顔になる村岸先生。




いつの間にかクラスのマスコットのような存在になっている村岸先生。




出産をしたばかりの担任に代わり、
今日から村岸先生があたしのクラスの担任をする事になった。




赴任してきて一年ちょっと。

臨時とはいえ初めての担任。


それがあたし達のクラスで良かったと村岸先生も喜んでいた。





まぁ一番嬉しいのは目の前の彼女だろう。



ツンツンと指で和花を突っつく。


予想通り満面の笑みを浮かべる和花。





「良かったね」


小声で囁くと、

小さくうなずく和花。



可愛いなぁ。

幸せそうな和花の笑顔を見るとあたしまで幸せになる。









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