それでも、意地悪な君が好き。
「ハル…
や、やめ…て」
やっとの思いで出した声は震えていた。
こんなの嫌だ…
ハルらしくない
どうしてこんな事するの…
溢れそうなる涙を必死でこらえた。
カタカタと震える体。
それに気付いたのかは分からないが
ハルは小さくため息をついた。
「やめた…」
そう言って、あたしから離れるとベットに腰かける。
そんな緊迫した空気の中での沈黙はしばらく続いた。
あたし…
またハルにからかわれちゃった…
平常心を装ってはみるが
バクバクと鳴り続ける心臓は正直だった。
「あ、あたし行くね…」
ハルの部屋に二人きり。
それだけでもドキドキするのに…
さっきの事を思い出すと
心臓が飛び出しそうなほど苦しくなる。
地面に散乱するお菓子と持っていたバックを拾う。