それでも、意地悪な君が好き。
ハルがクローバーのしおりを持っている事を知ってから
余計に鈴を外す事が出来なくなった。
もしかしたら…
あの約束はハルだったのかな…
なんて都合よく考えたり…
どこかで期待する気持ちがあった。
今考えてみれば
思い出せない幼い頃の記憶に振り回されてるなんてバカらしい話しなのかもしれない。
でも、あたしは信じたかっただけ。
本当は分かってるんだけどね…
幼い頃の約束。
宝物の交換相手は晴人だったんだろうなって。
ずっとそう思ってきた。
そうであって欲しいとも思っていた。
なのに突然歯車は壊れてしまった。
あたしの中の感情と一緒に…
まぁ昔からあたしに意地悪で
興味なんてこれっぽっちも示さないハルが
そんな約束するわけないけど。
でも、やっぱり気になるのは
なぜハルが持っているのかって事で……
記憶を思い出そうにも思い出せない自分が悪いんだけど
大事な部分を忘れ
しまいには都合よく解釈して
晴人だと思っていた自分につくづく呆れる。