それでも、意地悪な君が好き。






「ハルはまた遅刻かぁ。

まったく…」



呆れたようにあたしの横を見ている村岸先生。







あたしの隣。

ポッカリ空いたその場所はハルの席。





ハルとは名字じゃなくって下の名前。

本名は篠田晴樹(シノダハルキ)







晴人とは双子の兄弟。






不良ってわけじゃないけど…

ちょっと恐い。



度々起こす問題に先生も手を焼いている。


でも、世渡り上手?なハルはなんだかんだで先生と仲が良い。

友達も沢山いる。


そんな彼だからみんなから親しみのある呼び名『ハル』と呼ばれている。





見た目は…


派手に染められた髪はワックスで無造作に遊ばれていて

腰で履くズボンはパンツが見えるんじゃないかとハラハラする。


ブレザーは完全無視。

場面で色が変わるシャツとセーター。

ネクタイなんていつも崩しっぱなしだし。




それほど校則には厳しくない高校だけど…

さすがにやり過ぎな訳で

先生からの呼びだしは日常茶飯事。





それでもハルは女の子からの人気が凄かった。




キリッとした目に長いまつげ。

しゅっとした鼻筋。

綺麗に整われた眉毛。

シャープな顎のライン。

小さい顔に整ったパーツが集まっている。



体型もやっぱりモデル並で…

欠点なんて一つもないんじゃないかと思うほど。





性格以外は…完璧だ。





双子なのに晴人とは対称的なハルだけど、


女子からのモテ具合いは

もしかするとハルの方がちょっぴり上かもしれない…




時より見せるクールな目つきに女子は完全ノックアウト状態になる。








< 12 / 246 >

この作品をシェア

pagetop