それでも、意地悪な君が好き。






「宝物?バカじゃねぇの…

くだらない約束だって
所詮こどものお遊びだろ…」




「……」




無気力に見えるハルの横顔は

どこか切なそうにも見えた。





こどものお遊びね…

ハルの言う事があまりにも的を得ていて

返す言葉もなかった。






でも…

気になる事もあった。






こどもの頃の約束…

どうしてハルがその事を知っているの?


宝物とは言ったけれど

約束の事は言ってない……



あの時の事は

晴人しかしらないはず。





びっくりするあたしを見て

しまったと顔をしかめるハル。






「ハル…約束の…」




「行けよ‼」




約束の事、なんで知ってるの?


そう言いかけた時、

言わせないとばかりに冷たく言い放つハル。







どうしてなの…

ハル…



なぜそんなに隠したがるの…




拒絶するようにあたしを部屋から追い出すハル


これ以上話しかけるのはムリだと思った。






ハルの冷たい態度に困惑する中、

モヤモヤとした気持ちが胸の痛みに拍車をかけた。










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