それでも、意地悪な君が好き。
遠くでざわつく取り巻きの声。
入り口を見張っていたはずの女の子達の声が
キャーキャーと近づいてきた。
なんだ?
と、あたしを囲む男達の動きが止まった。
「あっ、ハル…」
一人の男の声に瞑っていた目を開けた。
ハル……
そこには今まで見たことないもない表情で怒るハルの姿があった。
ハルの殺気にあたしを押さえつけていた男達が次々と離れる。
「ハル…あの、これは…」
恐怖からかおどおどし始める男達。
「お前らは後だ…
帰れ」
低い声でボソッと呟くハルに
男達は青ざめた顔で走って行った。