それでも、意地悪な君が好き。
無言であたしのシャツのボタンを閉めるハル。
そんなハルの手は微かに震えていた。
あたしの体をゆっくり起こすと
こっちを見ているサトミ達に近づいて行く。
そんなハルの様子に勝ち誇ったように
笑みを浮かべるサトミ。
「面白かった?」
何を考えているのかハルは笑いながらサトミに問いかけた。
「ふふっ、とっても
それより…
あたしもハルとしたいな…」
豊満な胸を押し付けるように
ハルに抱き付くサトミ。
「そっか」
鼻で笑うハル。
「保健室…行こ?」
甘えるように密着するサトミ。
そんな様子を見ていられないあたしは目を反らした。
それでも
さっきの事があたしの体をずっとカタカタと震わせている。
静かに流れる涙。
安心からなのか…
さっきの恐怖からなのか…
自分でも分からない。
ただハルが来なかったらあたしは…
想像しただけで恐怖がよみがえった。