それでも、意地悪な君が好き。
「聞こえなかった?
俺、消えろって言ったんだけど」
冷たい目付きでサトミを睨むハル。
「えっ?ハル?」
状況が分からないとばかりに
テンパッている様子のサトミ。
周りの取り巻きもザワザワし始める。
「殺されたいの?」
冷たく殺気に満ちたハルの表情に
ようやく現実を把握したように
泣きながらその場を去って行くサトミ達。
騒がしかった体育館裏も
ハルと腕を掴まれたままのあたし
二人きりになった。
さっきの事が嘘のように
あたし達が立つ場所は
綺麗な夕焼けに包まれていた。