それでも、意地悪な君が好き。
「あっ!!
香織、和花!」
あたし達に気付き手を振る茜。
緊張していた彼女の表情は次第に明るくなっていく。
「もしかして茜!?
びっくりしたぁー‼」
「わぁ!本当に茜だぁ~」
茜だと分かり、テンションが上がるあたしと和花。
他にも、茜だと気付き喜ぶ生徒達。
「なんだ?知り合いがいるのか?」
不思議そうに茜を見る村岸先生。
「中学校に入る前に親の仕事の都合で離れちゃったんですけど…
元々はこの近辺に住んでいたんです。
また戻ってこれて嬉しいです」
知り合いがいる事に安堵の笑みを浮かべる茜。
そうかそうかと
安心したように茜を席まで案内する村岸先生。
茜の席はハルの隣だった。
まだ茜に気付かず、ぐっすりと寝ているハル。
そんなハルを見てクスッと笑う茜。