それでも、意地悪な君が好き。
「ねぇねぇ!!
夏休み入ったらうちの別荘に遊びに行かない?」
お弁当を食べながら目をキラキラさせる茜。
そう。
茜の家はお金持ちだ。
昔からそんな素振りを見せない茜。
お金持ちである事を鼻にもかけず
周りと同じように生活をしていた。
そういうのを含めて茜が愛される理由なんだと思う。
空白の4年間も
社長をしているお父さんの仕事の都合で海外に行っていた。
「わぁ‼楽しそう!
行きたい」
興奮するあたしに
やったーと声を張り上げる茜。
「ごめん。あたしは行けないの…
夏休みはお父さんの田舎に帰らなきゃなの
でも、楽しんできてね!」
「そっかぁ…
残念…
お土産買ってくるからね」
「ありがとね」
落ち込む茜を
あやすように和花は頭を撫でた。
茜は本当に喜怒哀楽が素直な女の子だなぁ。
なんて微笑ましく見ていた。
っていうあたしも
和花が居ないのは凄く落ち込んでいたりする……