それでも、意地悪な君が好き。
茜のお気に入りだという部屋に案内された。
10畳以上はあるだろう空間には大きなベットが2つ並んでいて
メルヘンな可愛い絵柄の壁紙に
白で統一された化粧台やクローゼットはハートの形になっていた。
「可愛い~♪」
おしゃれで女の子らしい部屋に
思わずテンションが上がるあたし。
「本当?
気に入ってもらえて良かったぁ!!
意外とこういうの好きでさ…」
嬉しそうに照れる茜。
メンヘンな空間に
あたしの持っている旅行用バッグは浮いていた。
荷物どこに置こうかなぁ~?
アリスとハートで埋め尽くされた可愛いじゅうたんに
荷物を置くのを躊躇してしまう。
コンコンッ
「はーい
どうぞ~」
部屋をノックされる音。
すでに部屋のソファーでくつろいでいた茜は部屋のドアを開けた。
「俺らは準備終わったよ
ダイニングで待ってようか?」
水着の上にシンプルなパーカーをさらっと着こなす晴人。
手には浮き輪やパラソルを持っている。
「あたし達はこれから着替えるから
先に海で遊んでて
すぐ行くからさ♪」
了解。と部屋を後にする晴人。
リビングからはテンションの高いハルの声が聞こえる。
ずっと寝ていたおかげで体力が回復したのだろうか。
なんだかんだ言ってもハルも普通の男の子なんだなぁ。
はしゃぐ声につい笑ってしまうあたし。