それでも、意地悪な君が好き。
そうこうしているうちにあたし達のパラソルに着いた。
「迷子になったのかと思って心配したよ~」
パラソルの下であたしを待っていてくれた茜。
「見つかったなら良かったぁ~」
時間差で息を切らしながら戻ってきた晴人。
きっとあたしを捜しに行ってくれていたんだろう。
「みんなに心配かけちゃって…
本当にごめんね」
「そう思うなら携帯くらい持って歩けよなぁ」
うっ…
確かに…
すぐ戻る予定だったから置いっちゃっただよね……
何度ハルを呆れさせただろう。
自分がバカすぎて何も言い返せない。
「それよりも、香織その服どうしたの!?」
びっしょりとオレンジ色に染まった白いパーカーに驚く茜。
「ジュースこぼしちゃって…」
「早く水に浸けないと染みになっちゃうよ?」
「えっ!そうなの?」
同感とばかりに首を振る晴人。
そんなの困るよ~
まだ買ったばかりなのに…
「じゃあ水に浸けてる間、海にでも行きますか!
香織はまだ入ってないしさ。
それに、せっかく可愛い水着着てるのにもったいないよ♪」
「はは…
そうだよね…」
ここで拒否ったらおかしいよね…
海に来て水着にならないなんて。
はぁ~
でも、よりによって
みんなの視線が集まる時に脱ぐ羽目になるとは…
もうどうにでもなれ!
恐る恐るパーカーを脱いだ。