それでも、意地悪な君が好き。






「あっ、香織
そこのトマト取って~」



「は~い」


海で思いっきり遊んだ後、
部屋で少し休んだあたし達は今晩の夕食の仕度をしていた。


ハル達は買いそびれた花火を買いに行ってくれている。



広いキッチンに用意されていた食材は家政婦さんが用意してくれたらしい。


何でも作れそうな大量の食材に、
かえって何を作ったら良いか分からなくなったあたし達は、
悩んだあげく…
結局、カレーとサラダという簡単なメニューに決めた。



「そういえばさぁ
香織って好きな人いるの?」



「ひへっ!?」



トマトを盛り付けながら
なんの迷いもなく恋話を突っ込んでくる茜に
思わず声が裏返ってしまった。









< 173 / 246 >

この作品をシェア

pagetop