それでも、意地悪な君が好き。
「良い匂いだね
今日はカレーかな?」
「あっ、匂いにつられてもう一人やってきたな~」
入り口からひょこっと顔をだす晴人。
「そうだハル、味見してよ!
はい、あ~ん」
近くにいたハルを引っ張って
カレーがのったスプーンをハルの口元に運ぶ茜。
その瞬間、ハルと目が合った。
見たくない…
無償にモヤモヤする気持ちからあたしは目を反らしてしまった。
「自分で食うからいいよ!」
なんだか茜に素っ気ないハル。
「何照れてるの~
キスした仲じゃない♪ほらっ」
「おい茜!
お前いつの話ししてんだよ。
それにアレは…」
「可愛いなぁハルは♪」
……………
イチャつく二人の会話はそれ以上
あたしの頭には入ってこなかった。
ただ…
キス………
ただその単語だけが頭の中でグルグルと駆け回る。
やっぱりあの噂は本当だったんだ。
茜とハルが両思いだったって……
もしかして今も……!?
考えれば考えるほどキリがない負の連載があたしの脳内を襲った。