それでも、意地悪な君が好き。
波瀾万丈だった別荘でのお泊まりも終え、
夏休みも終盤に差し掛かった頃
あたしは和花の家に遊びに来た。
「会いたかったよぉ~」
親の田舎に行っていた和花は昨日帰ってきたばかりで
会うのは久し振りだった。
よしよしと頭を撫でてくれる和花に癒されるあたし。
やっぱりこの場所が一番落ち着くな…
「色々ありましたって顔だね」
精神的に疲れていたのか
本調子じゃないあたしを見抜く和花はさすがだ。
そしてあたしは別荘であった事を無我夢中で話した。
ハルと茜がキスをしたという事
茜がまだハルを好きだという事
晴人を好きだと勘違いされていた事
海辺でされた告白
そして今だにハルを好きだという事実を茜に伝えられていないという事…
自分の気持ちを確かめるように、今の状況を全て和花に話した。