それでも、意地悪な君が好き。
「後は茜の事だね…
まだハルの事好きだったのかぁ…」
和花からしたら茜だって大事な友達の一人だと思う。
どっちかを応援するなんて出来ないのも分かっている。
だから、和花に無理難題を押し付けているようで申し訳なかった。
「ご、ごめんね…
この事は自分で考えるからさ」
行き場のない気持ちが渦巻く中
それでも、こればかりは和花を巻き込んじゃいけないと思った。
「でもさ、恋愛って自由だと思うの。
確かに、友達が好きな人を好きになるって辛いと思うけど…
先に香織がハルくんを好きって茜に伝えてたら立場は逆だったわけだし…
茜には正直に言っても良いと思うよ。
複雑にはなるかもしれないけれど…
茜ならきっと分かってくれるよ」
「和花…」
「まぁキスの事とか悩みは尽きないかもしれないけど…
それだって事情があると思う。
噂だって…ただの噂だし。
ハルくんから直接聞いたわけじゃないでしょ。
色々言ったけどあたしは香織の親友だから…
茜だって大事だけど、香織には幸せになって欲しいの」
「そうだよね…
頭の中ごちゃごちゃしてたけど、
和花の言う通り過去の事気にしてたら前に進めないよね。
茜にも話せる時がきたらちゃんと話してみるね。
和花、あたしの親友で居てくれてありがとう!
本当に本当に大好きだよ」
あたしの事を大事に思ってくれる気持ちがひしひしと伝わってきた。
次第に込み上げてくる物
にじむ視界を誤魔化すように笑うと、和花の目も涙でにじんでいた。
そんな姿にお互い笑い合う。
和花…ありがとう。
くよくよ悩んでた事も整理がついたように
心は穏やかさを取り戻した。