それでも、意地悪な君が好き。
「おっはよー♪」
元気いっぱいの明るい声に振り向いた。
「おはよう」
「あっ、おはよう」
既に登校していたあたしと和花に向かって教室の入り口から手を振る茜。
その隣には…ハル。
眠そうにあくびをしながら席に座った。
「ハルったら全然起きないから大変だったよぉ~」
さっそくあたし達の元へ駆け寄る茜は困ったようにため息をついた。
それでもなんだか嬉しそうな茜に心が痛んだ。
「そ、そっかぁ…大変だったね」
無理して笑うのも一苦労だ。
こんな自分も嫌になる。
茜に嫉妬して苦しんで…
大好きな友達なのに応援することすら出来ない。
そんなあたしを心配そうに見つめる和花。
早く言わないと余計にややこしい事になっちゃう…
「あっ、晴人!どうしたの?」
入り口からあたし達の教室に入ってくる晴人にいち早く気付いた茜。