それでも、意地悪な君が好き。
「お邪魔しまぁーす」
学校が終わり、いつものように勝手に上がる。
玄関には脱ぎ散らかしてある靴。
今日はハルも居るんだ…
晴人だったらこんな脱ぎかたはしないだろう。
自然と弾む胸の音に顔がにやけてしまう。
「おう!」
「おっ、お邪魔してます」
珍しくリビングにいるハルに緊張するあたし。
いつもなら部屋にいるか、出掛けてる時間なのに。
「はっ?変なやつ~」
慌てていたため、普段なら言わない返答をしてしまったあたしを見てバカにするように笑うハル。
何動揺してんだか…
あたしのバカ。
「そ、そういえば晴人は?」
誤魔化すように話題を変えた。
「あぁ、買い物行ってるよ」
「そ、そっか…」
変に緊張しちゃって会話が続かない。
どうしよう…
絶対変だと思われてるよ…
ボーッと立ち尽くすあたしを見て不思議そうに首を傾げるハル。
「つか…」
「ふへっ!?」
急に話しかけられて声が裏返ってしまった。
「プッ…お前どうしたの?」
「別に…で何でしょう?」
「いや、座ればって…」
「だね…」
ロボットのように動きがおかしくなってしまった。
そんないつもと様子が違うあたしに爆笑するハル。