それでも、意地悪な君が好き。
「香織?具合いでも悪い?」
「ううん。大丈夫」
「なら良かった」
箸を持ったままボーッとしているあたしを心配するように見つめる茜。
ホッとしたような笑顔に心が悲鳴をあげる。
こんなに親身になってあたしを心配してくれる彼女に、黙ったままで良いわけがない。
「あのね、茜に話したい事があるの」
「んっ?何?」
何事かと箸を止め、不思議な様子であたしを見る。
「放課後、時間作ってもらえるかな?」
「うん。了解!」
なんとか笑顔で約束を取り付けたものの…
本当は不安でいっぱいだった。
チラッと和花を見ると、あたしが言いたい事を理解するように笑顔でゆっくり頷いてくれた。
既に昼食を食べ終えたハルは寝ている。
そんな姿にあたしは少しだけ肩の力が抜けた。