それでも、意地悪な君が好き。






「お邪魔しまぁーす」




夕飯時の時間を見計らって晴人の家に来た。



玄関には晴人の靴が綺麗に揃えて置いてある。

それだけで晴人の几帳面な性格が分かる。


それを見習い自分の靴も綺麗に並べた。





やっぱりハルは居ないみたい。




玄関には晴人の靴と、脱いだばかりのあたしの靴だけ。

ホッと胸を撫で下ろす。





「もうすぐ出来るから適当に座ってて」






「うん」




リビングにあるテーブルの椅子に腰掛けた。

いつもあたしが座る場所。

晴人と向かい合わせになれるその場所はあたしの特等席。





料理をする晴人の後ろ姿もうっとりするほどかっこいい。

手際よく動く晴人。
キッチンからはトマトやバターの良い香りがしてくる。











< 20 / 246 >

この作品をシェア

pagetop