それでも、意地悪な君が好き。
「お邪魔しまぁーす」
夕飯時の時間を見計らって晴人の家に来た。
玄関には晴人の靴が綺麗に揃えて置いてある。
それだけで晴人の几帳面な性格が分かる。
それを見習い自分の靴も綺麗に並べた。
やっぱりハルは居ないみたい。
玄関には晴人の靴と、脱いだばかりのあたしの靴だけ。
ホッと胸を撫で下ろす。
「もうすぐ出来るから適当に座ってて」
「うん」
リビングにあるテーブルの椅子に腰掛けた。
いつもあたしが座る場所。
晴人と向かい合わせになれるその場所はあたしの特等席。
料理をする晴人の後ろ姿もうっとりするほどかっこいい。
手際よく動く晴人。
キッチンからはトマトやバターの良い香りがしてくる。