それでも、意地悪な君が好き。
数日後。
茜との問題が解決したあたしは、重い肩の荷が下りたように素直に笑えるようになっていた。
恋愛も大事だけれど…
友情も凄く大事なんだと改めて思ったりして
今まで当たり前だった友達との関係も、あたしは幸せだなぁ…
と、心から感じていた。
「菊地さん、何か最近良い事でもあった?」
「えっ!?」
そう話しかけてきたのは、隣の席の江崎ルカ(エサキルカ)くん。
滅多に話しかけてくる事がない江崎くんに、あからさまにびっくりしてしまった。
これから授業が始まるというのに、無駄にニコニコしているあたしに違和感があったのかもしれない。
江崎くんの見た目は、
眼鏡をかけていて、いかにも勉強が出来そうな感じ。
まぁ本当に頭は良いのだが…
ガリ勉なわけではない江崎くんはスポーツも得意で。
サッカーにバスケと、体育の授業ではいつも活躍している。
メガネの下の顔は可愛い感じで、クリクリした目が小動物のようだ。
とは言っても長い前髪で顔はあまりよく見えないが…
背は低め。
でも、170センチはあるだろうから、あたしよりは全然高い。
隠れたファンが多いのも江崎くんの魅力の1つかもしれない。
そんな江崎くんとほとんど会話をした事がないあたし。
会話といったら共通の飼っている猫の話しくらいかもしれない。
ちなみに…江崎くんは猫の話しになると人が変わったように饒舌(ジョウゼツ)になる。