それでも、意地悪な君が好き。
「なら良かった…
俺、こんな見た目だから暗いと思われてるんじゃないかって不安だったんだ…」
なるほど…
メガネの上にかかる前髪で余計に暗く見えるのかもしれない。
「そうだ!江崎くんが嫌じゃなかったらだけど…
前髪切って、メガネもコンタクトにしてみたら?
あっ、髪は切らなくてもワックスつけるとかもアリかもね」
余計なお世話かもしれないけれど
自虐的になる必要なんてないほど江崎くんは整った顔立ちをしていると思う。
だから勿体ない気がしてならなかった。
「えっ…大丈夫かなぁ…」
あからさまに不安そうな表情をする江崎くん。
「うん!絶対似合うと思うよ。
っていうか見てみたいかなぁ…」
「見てみたいかぁ…」
引っ掛かる言葉それ?
最後にポロっと言ってしまったあたしの本音をやたらと気にする江崎くん。
「まぁあたしの気持ちは置いといて…
アドバイス程度に受け止めてくれたら嬉しいかな」
誤魔化してはみたけれど、
江崎くんにあたしの言葉はもう届いていないようだった。
見てみたいなんて言っちゃったけど…
まさかあたしの為に変わるなんて事にはならないよね…
何か考え事をしているのかうつ向いたままの江崎くん。
まぁ何にせよ本人が決める事だよね。
なんて軽く考えていた。