それでも、意地悪な君が好き。
「江崎くんなの!?」
その美少年は、目の前でニコニコ笑いながら頷いた。
「菊地さんが見てみたいって言ってくれたから…
美容院行ってきたんだ。あっ、あとコンタクトもね」
変かな…なんて不安そうな顔をする江崎くんに、あたしはとっさに首を横に振った。
変わりすぎてて驚いた。
もちろん良い意味で…
「どこの美少年かと思ったよ…
うん!凄く似合ってるよ‼」
あたしの言葉に顔を真っ赤に染める江崎くん。
和花も興奮したように、首を縦に振る。
だって…
特徴的だった黒縁メガネは外されていて
顔の半分くらい隠していた前髪は、きちんとした長さに切られていて
黒かった髪の色は薄い栗色に染められ、
ゆるいパーマがかけられていて、クリクリした目と高い鼻の可愛い顔にマッチしていた。
ダイヤの原石とはこういう事だろう。
江崎くんは、女のあたしが羨ましくなるほど可愛くて綺麗な顔だった。
「あ、ありがとう…
そんなに褒めてくれるなら…変わって良かったよ」
照れる表情も可愛いくて、うっとりしてしまう。
「綺麗…」
やっと正気に戻った和花だけれど、自分の口から溢れる言葉に気付いていないようだった。